<NIKKEI STYLEより引用>

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO33663430R00C18A8000000?channel=DF100820160636

 

■債務整理ガイドラインを利用

自然災害により、住宅ローンが残っている自宅が被害に遭うこともあります。原則では、自宅が壊れるなどしても、ローンの返済義務は残ります。

一方で、被害が大きく、災害救助法が適用された地域で生活の再建が困難になっているケースでは「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」が活用できる可能性があります。今回の豪雨では11府県106市町村(7月31日現在)で災害救助法が適用されています。

このガイドラインの特徴は、手元にある程度の財産を残した状態で、私的債務整理ができることです。さらに、債務整理をしても個人信用情報に載らないことから、生活再建や自宅の修復のために新たなローンを必要とする場合に、借り入れができる可能性も高くなります。対象となる債務は住宅ローンや個人事業主の事業ローンなどです。

手順は、借り入れている金融機関に、ガイドラインに基づいた債務整理手続きの着手を希望することを申し出ます。金融機関の同意を得たら、地元弁護士会などを通じて手続きを進める流れになります。

2015年9月から始まったこの制度は、2018年3月末現在までで774件申請され、222件の債務整理が成立しています。

すべての負債が負担なく清算される制度ではありませんが、生活再建のための借り入れもできないといった、「どうにもならない状況」を緩和できる心強い制度といえます。